大学休学して旅するのを止めた理由

この記事をクリックしたあなたは、多分「休学中に旅に行こうとしている人」あるいは「もう既に旅に出ている」という人だと思う。

じゃあ、まず「旅で出よう」と思っているそちらのあなたほうに少し聞きたい。

あなたがその旅の中で得たいもの、あるいは得られると考えているものはなんだろうか?

すぐに答えられないのなら、一度この記事を見てみて「自分は旅に出るべきなのか」もう一度考えてほしい。

逆に、もし答えられるのなら今すぐブラウザバックしてくれて構わない。だってそれを見つけられているのならこの記事を見る必要なんて無いのだから

そしてもう一人。今現在旅をしていているあなた。

旅をしているのにこの記事を、見ようとしているのだからあなたは旅についてなにか腑に落ちないものを感じているのじゃなかろうか?ならこの記事をとりあえず読んでみて旅を続けるべきなのか今一度考えてほしい。

目次

旅という言葉が持つ魅力

まず、最初に言いたいのは私は決して旅をすることを否定しているわけじゃないということ。

旅愁や旅情と言った言葉があるように”旅”にはそれでしか得ることの出来ないコトがたくさんある。しかし、それを感じる以上に休学者諸君に感じてほしいのはタイムリミットだ。時間というのはあまりにも流れるのが早い、早すぎるくらいに

限られた時間の中で「”何か”が得られるだろう」という曖昧な期待しか持たずに旅を始めればそれは時間の浪費を始めると同義である。

つまり、旅という言葉の理想面だけを追いかけ続ける旅ならそんな物止めてしまえと言いたいんだ。

大学休学して旅を止めた理由

限られた時間の中で得られるものとは?

「旅をする中で得たい”何か”・得られる”何か”

この”何か”は千差万別多種多様なものが当てはまるだろう。ありがちなのは「発見」とか「出会い」とかだろうが、まだこの単語じゃ曖昧だ。

”何を”発見したいのか?、”誰と”出会いたいのだろうか

更に細かく限界まで掘り下げて見る必要がある。「まだ有りそうだけど自分じゃわからない」これではダメだ。

このあたりで止まってしまう人もいることだろう。実を言うと私もそうだった。明確な目的も設定せず「何かが得られる」というまるで根拠のない自信を胸に旅に出た。正直、旅を諦めてた今でも”何を”得られたのか具体的に説明することは出来ない。

じゃあ、「何を得たいのかわからないのなら旅に行ってはいけないのか?」と言われるとそうでもない。なぜなら旅には”予期せぬ出来事”がつきものだからだ。

予期せぬ出会い・不思議なめぐり合わせ、とっても素敵な響きだけれど、これは偶然であって必然じゃない。つまり、「運命の人に巡り会える!!」とか「人生を変えてしまうような体験!!」が必ずあるわけじゃない。もしそうなのならマッチングアプリなんて流行らずに旅ブームが来ていることだろう

この不確実性が逆に楽しいと言える人ならよいのかもしれないけれど、世の中そんな人ばかりじゃあないし、ましてや休学終了までの限られた時間をそんな”確率”に賭けてよいのだろうか?

お金は減り続ける

これは当たり前の話だけど、旅をするとお金は減る一方だ。どうしようのない問題に思えるけれど、案外おてつたびやリゾバを利用すれば、ある程度の衣食住を確保しながら全国各地を点々と旅することも出来たりする。実際、私はそうした

そのようなサービスを利用して旅をすればお金が減り続けるなんてことはないだろう。けれど、それでは旅の時間が減ってしまう。これはつまり貴重な”何か”を得る・ことができるかもしれない時間を自ら削りにいくということ。「得られるかも」だったのが「得られないかも?」に傾いてしまう。

もちろんバイトをする中でその”何か”を得ることもあると思うが、それはバイトで得た知識や経験であって旅で得たものじゃないだろう?

広義の意味でバイトも旅に数えられるのかもしれないが、だったら旅なんかせずに近くで同じような職種を見つけバイトをしたほうが良くないだろうか?

心の余裕

人によってはここが一番の障害になってくるかもしれない。

旅にプライベートな時間はない。全くないというわけじゃないけれど、それでも普段の生活より格段に少なくなるのは絶対だろう。

まぁここに関しては大半の人がそれを覚悟の上で旅に出ると思うので、プライベート問題”自体”は大きな問題にはならないかもしれない

しかし、どれだけ覚悟している人であろうとも着実に心は負担に押しつぶされていく、本当に少しづつだけど確実に。

そのストレスを”旅情”で発散できればいいが、問題は他にも山積みだ「暗中模索な先の見えぬ旅」・「減り続けるお金」・「休学終了までのタイムリミット」。こいつらが同時に自分に襲いかかってくる。初めのうちはなんとも無いだろうけど、1週間、1ヶ月、3ヶ月と時が経つに連れ彼らの勢いは増していく

ジェンガを想像してほしい。直方体のブロックを積み上げてできたブロックの塔、下の段からブロックを抜き今度はそれを上に積み上げる、それを延々と繰り返し倒したほうが負け。

でも今回のプレイヤーは一人、自分だけ。ブロックは理想の旅像であったり、思い描く悠々自適な休学であったりする。そしてそれらを積み上げてできた塔は自分の心。

思い描いていた理想像を引き抜いて上に積み上げる。塔の上にブロックが積まれた瞬間、それは非常な現実・あるいは自分への失望に変わる。形こそ変わらないけれどたしかに下にあったそれとは全く対極のもの。志が高ければ高いほど。それは酷くつらいものへと変わる。

そしてどんどん希望は絶望に変わっていき塔はぐらついていく、更に歪な形の「マネーブロック」や「タイムリミットブロック」がどこからともなく現れ勝手にそれを上に積んでしまう。しかもわざわざメチャクチャなバランスで。

こっちはジェンガを崩さないよう頑張っているのになんてやつらだ。

ブロックを引き抜かなきゃこれ以上バランスを崩すことはないのだけれど、なぜだか自分は抜いてしまう。頭ではダメだと分かっているのだけど体がゆうことを聞かないんだ。

そして唐突にしかも一瞬にしてジェンガは音を立てて崩れてしまう。

ゲームオーバーは本当に突然にやって来る。それは朝、目が冷めた瞬間かもしれないし寝る前かもしれない、あるいは朝ごはんを食べているときかもしれないし仕事をしているときかもしれない。

大学休学して旅をするのなら・続けようか迷っている人へ

いかがだっただろうか?旅はたしかに良い、けれどそれなりの代償を払わなければ旅を楽しみ続けることは難しい。

実際私はそれに耐えかね旅を止めてしまった。

中には「僕はこんなに心が弱くないし大丈夫!!」と思う人もいるだろう。私も旅にいく前、もしこの記事を見ることが出来たとしても気にもとめなかったと思う。

けれど、旅は孤独だ。休学はもっと孤独だ。孤独であるがゆえに今まで隠れてきた、あるいは隠してきた自分の弱みが表面化する。いっそのこと一匹狼になることが出来たら楽なのだけど、それはそれで難しい。

だから、旅のタイムリミットを設定しよう。自分が壊れる寸前まで

旅をこれから始めようとしている人は3ヶ月、まずは3ヶ月やってみよう。それでつらくなったのなら止めてしまえばいいし、まあだ楽しめているのなら続けてしまえばいいだろう。

旅を続けるべきか迷っている人は、もう止めてしまおう

止めても良い。責める人などいないのだから、自分が自分自身の愚かさを責めることはあるかもしれないが、その弱みを知ることが出来ただけでも自分にとってプラスじゃん。

それに早く気付けたのなら早い段階でやり直しも出来る。

これは筆者の勝手な持論だけど、休学前に思い描いていた「理想の休学像」なんてものはほとんどうまくいかない。だって1年も学校へ行かないなんてことがこれまでにあっただろうか?休みの日はたしかにあったけれど、24h*365日=8760時間も自分の好きなように使えることなんてなかったはずだ。
だから休学中に改めて今後のスケジュールを見直さなきゃいけない。見直すのならそれは早いほうが良いはずだ。

早い段階でもう一度考え直す機会を得たのならこんなにいい事はない。それだけ多くの残り時間を有意義に過ごす事ができるのだから。

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