あ、AppleVisionProなんて絶対に要らないんだから!

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AppleVisionProなんて絶対に要らないんだからっ!!

Apple肝いりの「今日買える未来のデバイス」AppleVisionPro(以下:VisionPro)の日本地域での予約がついに開始さたので、早速AppleStoreで確認してみるとその価格におったまげ

アメリカでの販売価格が3500ドルだったのである程度の価格になることは分かっていたし、覚悟をしていたんだけれど、最低構成で60万という数字はものすごい圧だ。

とはいえ「”i”やら”Apple”やら”Magic”という単語がついた製品を見ると、本当に魔法にでもかけられたかのように気づいたら購入している」という状況をこれまで何回も経験してきた私にとって「Appleの新しいブランド・文字通りこれからのAppleのVisionを体現した商品・ものすごくSFチックなガジェットと三拍子揃ったVisionProはものすごーーーく刺さる代物。

正直もう既に体の半分はすでに林檎の魔法にやられてしまっていて、いつ悪魔(天使?)の囁きに負けてしまうかわからない。現に毎朝VisionProの販売ページでうっとりしてしまっている(これは危険信号だ)

でも、今回ばかりは値段が値段。所有しているMacやiPad,iPhoneやらテレビやらを売り払ったとしても全く届かないというのはこれ如何に

けれど、そういった理屈や理性と言ったフィルターが全く意味をなさなくなるのがAppleの魅力の一つであり、ただ唯一の憎いところ。

というわけで今回はこの記事で、天使と悪魔の囁きに頭を抱える筆者がゼッッッタイにVisionProを買わないようにするために要らない理由を文字化して、「要らない買わない買えない」と読み聞かせるためのドントバイVisionProワクチンを打ち込みたいと思う。

絶対に要らない。絶対に要らない。絶対に要らない。ぜったいに…

尚、この記事は以下の公式情報のみを情報源として制作した。

絶対に要らないんだからっ!その一:価格

まず最初に唯一にして最大のネック、これさえ解決出来れば絶対に予約しているであろうVisionProの価格について書きたい。

さて、先程ビジョンプロの最低価格は約60万と書いたけれど、個人的にそれは本当の最低価格じゃないと思っている。こう書くと少し誤解を生みそうなのでもっと正確に言い直そう。

VisionProを絶対安心快適に使うには、60万+α必要かもしれない

+αの中身は

  • 視力矯正用レンズ
  • AppleCare+

の2つだ。

視力矯正レンズ

VisionProは顔の形にフィットするように作られているためメガネを掛けて使うことが出来ない。

コンタクトレンズの注記は特に見当たらなかったためコンタクトであれば併用することは可能だと思うけれど、筆者の場合コンタクトをつけながらVRゴーグルを掛けるとものすごい目が痛くなるしものすごく疲れてしまう。

だから私にとって視力矯正レンズは必須である。あぁ今までこんなに自分の視力の悪さを呪ったことがあっただろうか

ちなみにVisionPro用視力矯正レンズは2種類存在し、販売ページで簡単なアンケートに答えることによって自分にどちらが最適なのか知ることが出来る。ちなみに私は高い方のレンズだった。

AppleCare+

AppleCare+はiPhoneやMacでおなじみのデバイス保証だ。過失や事故による修理を受けられたり、優先的にサポートが受けられたりデバイスを大切に使いたいなら絶対に入っておくべきサービスと言える。

視力矯正レンズと違ってAppleCare+は任意の保証だから入らなくても良いのかもしれない。しかし私はAppleVisionProをつけながら生活した経験がない。

iPhoneやMacなら経験で何をすれば壊れてしまうかのかが分かる。例えば落としたら画面が割れてしまうかもしれないし、水の中に入れたら水没してしまうかもしれない。私はこれまでスマホの画面を割ったことがない、パソコンは非常に丁寧に扱っているつもりなので過去の経験から私にはAppleCareは必要ないと判断しそれらのデバイスの保証には加入していない。

また、所有した経験が無いデバイスにしても今の時代ネットで調べればいくらでも情報が出てくる。自分の経験には劣るだろうが「AppleCareに入るか否か」確かな判断材料は割とさっくりと手に入れることができる。

けれど、ビジョンプロは違う。ビジョンプロは昨年の発売されてから一年も立っていないし、そもそもこの記事の作成段階では日本で販売すらされていない。つまり自分で使った経験は無いし、ネットに転がっている情報だってまだごくわずかだ。

何かのはずみで正面のガラスが傷づついてしまうことがあるかもしれないし、ループバンドが何かしらの影響で傷んでしまうかもしれない

また、テスラの電気自動車が日本の暑すぎる夏に耐えられなかったようにビジョンプロも日本特有の環境で壊れてしまう事があるかもしれない。例えば、とってもビジョンプロはとてもひどい花粉症だったとかね?

つまり、「まだ誰も知らない未知のアクシデントを初めて経験できる幸運なビジョンプロユーザーは自分になるかもしれない。」のである

Appleの名を冠し、それでいて未来を見据えたデバイスであるので品質管理はこれまでの製品以上に徹底されていると思うのだけれど、世の中100%安全ということはありえない

そう考えてみると、VisionProのAppleCareはデバイスに対する単なる保証でなく、心の安全を買うことだと思う。知っての通りAppleの顧客に対するサービスは頭一つ抜けている。Appleは世の中を動かす巨大なテック企業であると共に、昔なじみの居酒屋のようなフレンドリーさも兼ね備えている。そしてAppleCareに入りさえすればそのAppleの寵愛を一身に受けることが出来るのだ。

こう考えてみるとVisionPro用AppleCareはオプションでなくマストな要素と言えるのではないだろうか。

つまり私にとってのビジョンプロの最低価格は、

VisionPro_599,800円
+
AppleCare_89,800円
+
ZEISSレンズ_ 24,800
= 714,400

となる。

もし24回払いにしたとしても

29766.66…円となるわけで、約30,000円となってしまうわけだ。

絶対に要らないんだからっ!その二:過去のVRの苦い経験

筆者はゴーグル型のデバイスというものにあまりいい思い出がない。

これまで買ったゴーグル型デバイスは初代PSVR・PSVR2・MetaQuest2の3つなのだけれど、そのすべてを半年以内に売りに出している。

これには前述の目が痛くなる疲れるというような理由を初め様々な要因があるのだけれど、一番の理由は面白さ・感動を長続きさせてくれるコンテンツに出会えなかったからだ。

初めは、眼の前に広がるバーチャル空間に圧倒されとてつもない感動を覚えるものの、その気持ちも持って一ヶ月が限界だ。次第にコンテンツの面白さより装着する面倒くささが勝ちはじめ3ヶ月後には一週間に一回かければ良い方と呼べるくらいの頻度になってしまう。

まぁVisionProはこれまで私が買ってきたようなVRゲーム用デバイス、つまりコンテンツを消費するだけのデバイスでは無く、コンテンツを消費・生成しそして現実世界を補助し拡張する「空間コンピュータ」なので、これまで私が購入してきたようなエンタメ消費するしか能が無いデバイスとは根本的に異なる存在なのかもしれないが、そう「かもしれない」である

AppleのVisionProの販売ページやNewsRoomを100回ほど見た限りでは、私がこれまでに体験してきたどのデバイスより魅力的で開放感のあるゴーグルということは多分間違いない。けれど「多分」である

その「多分」や「かもしれない」に70万もの大金を掛ける。ひゅー!!そいつはクールだ

思い返してみれば、PSVR→metaQuest2→PSVR2という私のVR/MRデバイス買い替えも「今持っているものよりこっちのほうが面白いかもしれない」や「多分、こっちのほうが感動できる」というような曖昧フィーリングで購入し、そして毎回3ヶ月ほどで使わなくなっているので、私の「かもしれない」という感情はあまり信用できない。

絶対に要らないんだからっ!その三:必要性

問)VisionProはあなたにとって必要ですか?
現時点でVisionProで無くてはならないあるいはVisionProがあれば能率効率が上がる作業を具体的に述べたうえで100文字以内で述べてください。

答)

この記事を書くにあたり、VisionProや空間コンピューティングについての記事を読み漁ったのだけれど、この問の答えが全く見つからない。

  • 場所に縛られずMacのウィンドウを大画面で表示出来る
    • PC作業はほとんど机の上で行うし、外出先はiPadのSideCarを使えばマルチウィンドウに出来るので要らない。
    • 70万のゴーグルを持ち運んで外で使うのは精神衛生上よろしく無い
    • ゴーグルをつけて快適に作業できるかしら?
  • 空間ビデオ
    • VRを使った映像コンテンツはすでに体験済み。臨場感は平面の映画より優れているもののコンテンツ不足すぎて、結局平面の映像に戻ってくる。
    • 空間ビデオ撮影に対応したデバイスを持っていない。今年の秋頃に配信されるVisionOS2では空間ビデオで撮影していない写真も立体的に表示させることが出来るので現時点ではそこまで楽しめない
  • ウィンドウを周囲に表示させて現実世界を拡張することができる。
    • 長時間ゴーグルをつけて生活するのは無理。

等々、否定から入るのは好きじゃないけれど、それでもなんだか肯定意見より否定意見の方が早く頭に浮かんでしまうし、その数も多い。

分かっていたことだけれど、私の作業環境とVisionProが行えることを今、現時点で考えた場合VisionProは全く不要な存在なのである。

強いて言えば、「机の上のPCモニター邪魔だなぁとかテレビ邪魔だなぁ要らないもの多いなぁ」とかミニマル思考に目覚め始めてきた私にとってそれらすべてをその機能を残したまま物質的に排除出来るという点ぐらいだろうか。

あったらあったで”多分”(金銭面を除いて)生活が豊かになるのだろうけど、これもまた全く信用のならない”多分”なので確定的なことは言えない。

それに実用性や必要性の観点から言えば、VisionProより新しく出たiPadProM4の方が圧倒的に上である。あれも本当に欲しい

勘違いしないでよね!!

さて、理屈や理性で自分を縛り付けながらVisionProについて書くのも疲れてきたしなんだか虚しくなってきたので、この記事のテーマからは大きく逸脱してしまうけれど最後くらいデレてしまおう。

問)ここまでのワクチン投与であなたにVisionProが必要ないことがはっきりと分かったと思います。お財布にも良くないです。
でも、それでもVisionProが欲しいですか?

答)はい、欲しいです。

この記事の構成を考えているときから、これだけははっきりしていた。結局「結論は変わらないだろうなぁ」と

どれだけ理詰めを極めたとしても「欲しい」ものは欲しい。自分の過去と現在を振り返りながらこの記事をここまで書いてきて若干購入意欲は削がれたものの、薄皮を何枚剥がしたところで芯の部分は削れない。

「空間コンピューター」についてもいろいろな記事を読み漁ったので自分の中のそれに対するヴェールがだいぶ剥がされたものの、まだはっきりと鮮明にその意味が掴みきれていない。まぁ触れたことも見たこともないので当たり前といえば当たり前だけれど。しかし、その不透明さを楽しみにしてしまう気持ちもある。というかその「未知との接触」への渇望がこの欲求の正体かもしれない。

空間コンピュータとVisionProについては、WIREDのこの記事この記事が一番面白く分かりやすいと感じた。

何事も、確定してしまうより不確定の方が面白い。私はまだ数パーセントの不確実さに怯えてしまう人になったつもりはない(唯一はっきり分かる価格には首をすくめているけれど)しかも、今購入すれば”その不確実さが形になっていく過程をまじまじと観察しこの目にこの体に刻み込むことが出来る”というとてつもないおまけ付きだ。

(おっと、あぶない購入ボタンを押しそうになった)

VisionProが発表された昨年のAppleイベントでその姿を初めて見た時、その内容とデザインから私を含め多くのSFファンはこう思ったはずだ「映画レディプレイヤー1のような世界が現実のものになりつつあるのだ」と

小さい頃からいつも私の頭の中にあったSFアニメ・小説・映画の世界、「AI」というまさにSFのキーワードが闊歩する様になった今の世の中、フィクションがノンフィクションに変わっていくその空気を間近で感じ続けることが出来るのならば私にとってそれは本当に本当に素晴らしいことだと思う。

私にとってAppleVisionProは積年の夢の一端を見せてくれるデバイスなのだ

あぁなんてことだ。最後の最後でワクチンの効力が薄まってしまった。最後の最後までツンを貫けばよかったなぁ、完全に失敗した

まぁ、とりあえず

お金、貯めよう

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