【レビュー】FF7,8,9信者がFF16をプレイして思ったこと

私はファイナルファンタジー(以下FF)VII・VIII・IX至上主義者である。
私の中のファイナルファンタジーのといえば789であるし好きなタイトルTOP3も789である。そんな私が個人的にFF16をプレイした上で感じた「良かったところ」・「残念だったところ」を今回は書き綴っていく。

目次

良かったところ

スピードと迫力のあるバトル

私はFFはATB(コマンド)こそ志向という懐古主義者だ。別にアクションゲームが嫌いというわけではないけれど好きなタイトルが7,8,9なのでしょうがない。

しかし今作はアクションゲームだ。相性が悪いことこの上ない。

事実、とっても楽しみにしていたFF16唯一の懸念点がここだったのだが、今作のアクションはそんな懐古主義者の信条を揺らがせるほどの出来だった。

今作のバトルシステムを簡潔に表現するならば召喚獣ごちゃ混ぜアクションとかになるのだろう。

すでに色々なメディアが取り上げていると思うので詳細は省くが、スピード感と迫力がMAXのバトルはとっても面白かった。

バトルの基本は「1:通常攻撃ボタンを連打する。2:コマンドが溜まったらそれを使う。3:攻撃が来たら回避ボタンを押す。」たったこれだけの操作で映えるアクションが行える。もちろん、やりこみやら効率やらを重視するのだったらもっと奥深いアクションなんだけれど脳死でボタンを連打していてもなんかカッコいい感を味わえるのが今作のバトルの大きな魅力だと思う。

召喚獣

今作最大の魅せポイントはここじゃないだろうか?

召喚獣はファイナルファンタジーを象徴するキーワードの一つだと思う。これまでのシリーズタイトルでも時には強大な敵として時には頼れる仲間として、作品に彩りを与えてくれた召喚獣たちだが、今作ではプレイヤー自身が召喚獣を操作しムービーさながらに戦うことができる。

過去作でもその迫力あるコマンド攻撃やムービーでFFに華を添えてきた彼らだが、自分で実際に(指示ではなく)操作できること、そして「召 喚 獣 ス ケ ー ル」で展開される重量・存在感200%の映画のような召喚獣バトルはコントローラを握る手が思わず震え、画面にのめり込んでしまうほどのこれまでにない迫力だった。しかもそれぞれ一つ一つの召喚獣合戦が一つの映像作品として出せるようなクオリティに仕上がっており延々とここだけプレイしていたくなるような気持ちさえ覚えた。

残念だったところ

バトル

「あれ、いいところで取り上げたじゃん」と思うかも知れないが、今作のバトルには明確な欠点がある。

それはバトルメンバーの存在が薄いことだ。今作は、仲間の行動を自由に決めることができない。一応、相棒の犬”トルガル”にだけは指示する事もできるのだがそれも「2種類の攻撃」と「回復」の2パターンしかない。今作が主人公クライヴにフォーカスした物語であって純アクションゲームであることからしょうがなかったのかも知れないがずっと自分一人で戦っている感じがして少し寂しかった。

今作と同じアクションゲームながらも、前作のFF15は仲間の存在がバトル中にも感じられるシステムだったのでこの部分は、明確に前作からの劣化点と言えるかも知れない。

シナリオと演出

この部分が今作の異質さの正体であり賛否が分かれるポイントだと思う。

今作の演出・描写は「リアル」を追求しすぎた。
「まるで映画のようなゲーム」というイメージをFFに持っているプレイヤーは多くいるはずだ。それは、これまで積み重ねてきた「映像」と「シナリオ」という実績の賜物だと思う。

ここ最近の多くのFFシリーズ作品は代を重ねるに連れそのビジュアルをより”リアルに”に近づけていった。プリレンダムービーはその最たるものでここ最近の作品で見られるそれは、ほとんど実写にしかみえない。

また、シナリオも宇宙へ飛び出したり過去と未来を行き来したりするような”SF”、神話・超自然的な世界観を描いた”ファンタジー”まで幅広いジャンルを取り揃えその一つ一つが上記のビジュアルと合わせ映画のような出来に仕上がっていることが多い。


今作もその例にもれず圧巻のビジュアルとシナリオを兼ね備えているのだが、それらを突き詰めすぎた感がある。というのも今作は、キャラクターたちの”大人な”ロマンスや切断・出血のようなゴア表現などをきちんと映像で描写しているのだ。もちろんこれまでもそういった描写がある作品はあったがここまではっきりと描写した作品はなかったはずだ。シナリオもその点がよく表現されており「戦争に・世界に」翻弄される人々の世界の「痛み」がこれまでの作品以上に重く表現されている。


もちろん、FF16の全てがその異質さに集約されるわけではない。シナリオの大きなテーマは王道のRPGらしく「世界を救う」というものであるし、FFのキーセンテスである「クリスタル」や「召喚獣」を中心に捉えたシナリオ展開からも今作がFFだということは明白だ。ただ、ナンバリング作品でここまでする必要があったのか私は疑問に思う。

デザイン全般

先に書いたように今作はリアルを追求している。そして、それがデザインにも大きく反映されファンタジーらしさ、創作の良い点というものが失われているように感じた。現実じゃこんな服着ないだろというような服装や、とんでもびっくりメカが今作では限りなく少ない。特にキャラクターデザインが地味すぎる。

こう思ってしまう理由は、私の中のFFのキャラクターデザインらしさというものがいわゆる「野村絵」であることが原因かも知れない。でもファイナルファンタジーなのだからもうすこし非現実的な格好をしてよかったのではないだろか?

ラスボス

個人的にFFのラスボスといえばとにかく「でっかくてやばそう」というイメージを持っている。別にナンバリングを全部クリアしているわけではないのだが、そのイメージはあながち間違っていないんじゃないだろうか?

セーファーセフィロスアルティミシアオーファンというような見ただけでラスボスとわかる巨大で壮大な様がラスボスには必要だと思っているのだが、、、

今作のラスボスは小物感がすごい。

「魔法と人を作った存在」というこれまでのFFシリーズのラスボス達も蹴散らすような経歴を持ち「アルテマ」とかいういかにもやばそうな名前がつけられているのになにか物足りない。

ラスボスの前座で出てくるくらいのデザインからなのか、やってることの詰めが甘すぎるからなのか、描き方が単に下手だったのか、それともその全部なのか、とにかく小物感がすごい。

さすがにFF12のような「これラスボス?」という程ではないのだが…

総括

久しくゲームから離れていたFFファンの私個人としても久しぶりにのめり込んでプレイすることが出来た作品だった。

多少人を選ぶ要素が際立つ今作だが、それらを踏まえてもファイナルファンタジーのナンバリングタイトルに恥じない大作であると個人的には胸を張って言い切る事ができる。

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